時、迫る!


地下鉄を降り、太陽の光と暑さを感じる外へと出る。

暑い・・・・

太陽の熱さもあるのだろうけど、なんだか足の方が暑い。

九州も暑いけど東京はナニかが違う暑さがする。

とりあえず日陰に入り、カバンの中から手紙と地図を取り出す。

手紙には『暑いからタクシーでくる事』と書いてあった。

暑さの中、歩く事は構わないが知らない場所と言う事もあり、
素直に手紙の言葉に従い、タクシーに乗った。

運転手さんにドコまで行くのかと聞かれ、手紙に入っていた
地図を見せ、説明すると車を出してくれる。

走行中、運転手さんに色々聞かれ
九州から東京にいる2人の兄に会いに来た事、
途中に親切に電車の事を教えてくれた桐原監督の事
を、話していると

流れる風景の中、
ココの学校が桜上水中学校だと教えてくれ、
車窓から見えたグランドではサッカーをしている姿が目に入り、
嬉しくなり、兄である将の事を話せば、

それは凄い。

褒め言葉を言われ、
なんだか自分が褒められている様で嬉しくなった。

中学校からさほど時間も掛からず、2人の兄が住む家に着き
お金を払い、お礼を言ってタクシーから降り、エレベータに乗り
手紙と共に送られてきたカギを差込ドアを開ける。

知らない家に入るのに、勇気を出し玄関でクツを脱ぎ中へと
入っていくが、知らない部屋が続き開けていいのかどうか
迷い立ち止まるが、

開けると怒られるかぁ

なんて思って廊下を進んで行くとキッチンに辿り着いた。

荷物を降ろし、着いた事を両親に報告する為、電話を探す。
キッチンと繋がっているリビングに歩いていくと直ぐに見付かり
電話をした。

2人共無事で良かった。2人によろしく

と、言い電話を切った。

さて、どうしよう・・・・・・
このまま待っているのもヒマだし・・・・

落ち着かず、ウロウロと歩いているとテーブルの上に
置き手紙がある事に気付き、読んでみれば、

将のお弁当を作り、届けてくれ

との、功からの言付けだった。

お弁当と言えばお昼

時計を探し、時間を見ると10時になろうとしていた。

急いで、冷蔵庫から材料を出し、手早く切り、調味料を探し
作り上げていく。

母親の様に手際良く出来ないものの、なんとか数品作り上げ
お弁当に詰めていくが、量が多い為タッパを探す途中に
重箱を見つけ、お弁当から重箱に詰め直し、残っていた御飯を
全部おむすびに使う。

おむすびを冷ましている間に海苔を切り袋に入れ、
お重のふたの上に置き、冷め切っていないおむすびを詰め
お重の真ん中の段に重ね、氷を袋に入れ、底と上の乗せ風呂敷で
包みカバンを持ちドアにカギをして走り出す。

目指すは先ほど見た桜上水中学校

重箱を揺らさない様に走り、中学校の門をくぐると
サッカーをしている人達が入ってきた。

必死になってボールを蹴ったり、奪ったり、
皆が暑い中走り回ってる姿と、高い声を出しながら
応援している女の人が見えた。

なんだか、凄すぎて怖い。

近寄るのを止め、応援している人達より距離を取りながら
中に入っていくとジャージを着た女の人と外人さんが
椅子に座りながら、サッカーを見ていた。

話しかけて良いものか迷っていたが、直接渡せないなら
頼むしかないと決心し
女の人に近づき、声を掛ける。

「あ、あの、風祭将の身内の者なんですが・・・」

いきなり知らない人間に声を掛けられるも、
微笑み

「どうかしました?」

落ち着いた声で聞き返してくれた。

「お弁当を届にきたのですが」

「そう。この試合が終わると休憩に入るんだけど
 待てられる?」

「あ、時間は大丈夫ですが、お邪魔になりませんか?」

「大丈夫よ」

「じゃあ、待たせて頂きます」

女の人との会話を楽しそうに聞いていた外人さんが
座っている場所を1つずれて座り、自分の空けた椅子を
指さし

「ココニ座ッテ待ッテルトイイ」

笑顔で言われるが、慌て、断ろうと言葉を作りかけるが

「折角マルコが空けたんだから遠慮する事はないわ」

2人から進められに礼を言い、手に持っていた
重箱を椅子の下に置き遠慮がちに座った。

「あの、西園寺監督さんですよね」

「そうだけど・・・貴方は?」

「風祭と言います。」

ちゃんね。」

それから少し話しをしていると試合が終わり、
西園寺監督とマルコさんが席を立ち、集まった人達の
所に行き、話をして解散となったのか、集まっていた人達が
カバンの置いてある所まで歩き出していた。

歩いていく人達と西園寺さんを交互に見ていると
話かけていいわよ。
と合図をくれ、
カバンへと歩いている人達に向かって走りだした。